パ・タ・カ・ラ体操で嚥下をスムーズにしましょう

 

こんにちは、さくらデイサービス浜松中央門齋です。
年末、年始は寒くなりそうです。皆さんお体に気を付けてお過ごしください。
さくらデイサービスではお食事前に口腔機能訓練を行っています。

 

始めは嚥下体操です。
嚥下とは「飲み込み」のことです。
嚥下は舌や口の周り、首などの筋肉を使って、食べ物や飲み物をのどの方へ送り込み、のどを通過した食べ物をさらに食道へ送り込む一連の動作を指します。
嚥下体操はそのためのに必要な筋肉の体操です。

 

食べる動作を思い出してみてください。
まずは目で食べ物を認識し、箸やスプーンを持ちます。
次に手を伸ばして食器をつかみ、食べ物を取り、口まで運びます。
この時、手だけではなく、頭を支える首や肩の筋肉、腕や肩の筋肉がスムーズに協働して動くことで一連の動作が行えます。

さらに、食べる際には姿勢も大事な要素の一つです。適切な姿勢を保つことが難しいと、誤嚥のリスクが高まります。
また、万が一誤嚥してしまった場合、しっかりとむせることができると、気管に入ってしまった食べ物を吐き出すことができます。
この「むせる」という動作には、背筋や腹筋、そしてしっかりと足を地面につけてふんばる足の筋肉なども必要になります。
全身の筋肉が、それぞれの役割を果たすことでスムーズに食べることができますし、また万が一の場合でも安全の確保ができます。
どれか一つが欠けても食べることは困難になります。
そのため嚥下体操には、お口だけではなくからだの筋肉を動かす要素が含まれています。

 

次にだ液腺のマッサージです。
だ液腺マッサージにより口腔内が潤うと、次のような効果が期待できます。
1. お口の自浄作用が働く。
2. 口腔乾燥の方の口腔ケアがしやすくなる。
3. 痛みなどの症状が和らぐ。
4. お口の周りの筋肉の緊張がほぐれ、お口が開きやすくなる。
5. だ液腺マッサージは会話をしながら行うので、コミュニケーションになる。
6. 食べること、飲み込むことや、会話がしやすくなる。
だ液腺マッサージも、嚥下体操同様、お食事前に行うと、だ液の分泌が促進され、お食事のための準備が整ったお口に近づきます。
お口が乾燥していると、むせたり、噛みにくくなったりしてしまいます。

 

最後はパタカラ体操です。
パタカラ体操には、次のような効果が期待できます。
1. 噛む力、飲み込む力の維持・向上
2. だ液の分泌の促進
3. 発音がハッキリする
4. 入れ歯が安定する
5. 表情豊かになる
6. 口呼吸ではなく、鼻呼吸に戻すことで口腔乾燥を防ぐ
7. いびきや歯ぎしりの改善

 

「パ」 唇を閉じて食べこぼさない
破裂音の「パ」は、唇をしっかりと閉めて発音します。
唇は食べ物をお口の中に取り込んで、こぼさないようにする役割があります。
「パ」の発音は唇を閉める筋力を鍛え、食べ物をお口からこぼさないようにします。

 

「タ」 食べ物を押しつぶす・飲み込む
「タ」は舌を上あごにしっかりとくっつけることで発音します。
口腔内で食べ物を噛む時や、噛み終えた食べ物を飲み込む時には、舌の全面が上あごにグ
ッとついていなくてはいけません。
舌が上あごについていないと、食べ物を押しつぶしたり、ゴックンと飲み込んだりすることができないためです。
「タ」の発音は上あごから下あごへ舌を打ちつけるので、舌の筋肉のトレーニングになります。

 

「カ」 食べ物を食道へ運ぶ
「カ」はのどの奥に力を入れて、のどを閉めることで発音します。
食べ物を飲み込み、そして食道へと送るためには、一瞬呼吸を止めることが必要です。
この動きができなければ食べ物をスムーズに食道へと運ぶことができません。
「カ」の発音は、誤嚥せずに食べ物を食道に送るトレーニングができます。

 

「ラ」 食べ物を口腔内に運びやすくする。
「ラ」は舌をまるめ、舌先を上の前歯の裏につけて発音します。
食べ物を口腔内まで運び、飲み込みやすいようにするためには、舌がよく動かなくてはなりません。
「ラ」の発音は、食べ物をのどの奥へと運ぶための舌の筋肉のトレーニングができます。

 

パタカラ体操は、嚥下体操やだ液腺マッサージのようにお食事の前に行うのが効果的です。
もしお食事前はなにかと忙しく、難しいという場合には、できる時に「パ」、「タ」、「カ」、「ラ」と発音しましょう。
発音はできるだけ大きく、はっきりと。みなさんで楽しみながら行うことをおすすめします。
ただ発音するだけではなく、好きなうたに乗せて発音すると口ずさみやすくなります。
皆さん楽しく体操をされています。